「ふるさと納税について」

相談役・税理士の池田茂雄です。
今回は、「ふるさと納税について」述べてみます。

 最近、非常に人気が高まっている「ふるさと納税」ですが、ゼロに近い負担金で市町村に寄付をすると、豪華な品物がもらえるという大変魅力ある制度なのです。これは、生まれ育った故郷など自分が支援したいと思う市町村に寄付をすることです。寄付金額から2千円を控除した金額が住民税等から寄付金控除として控除され、実質ゼロに近い負担額で寄付をすることが出来る制度なのです。 このことは、寄付をした本人が住む市町村に納付されるべき個人住民税が減額されて、相手先市町村に寄付金収入として入ることになるので、税源移転ということになります。

 これは、2008年5月 (平成20年) に発足した制度なのです。 地方出身者は、自分が生まれた故郷で医療や教育など様々な住民サービスを受けながら育ちますが、やがて進学や就職を機に生活の場が都会に移ることも多く、その結果、そこで永住することとなり税収入が都会に集中することが考えられます。 それを緩和するために、都会から地方への税源移転を図った制度なのです。

 寄付を受ける市町村側からすれば、臨時の財源として大きな魅力なのです。 そのため豪華な品物をお礼としてお返しする事で、今後、より多くの寄付金を集めようと期待する市町村が表れはじめ、本来の趣旨に反する不適切なケースが目につくようになってきた。 そこで総務省は、「返礼品は寄付額の3割以下の金額で、品物は地場産品に限定する」との基準を設け2019年9月 (令和元年) から実施されました。これに違反すれば、寄付金取扱い市町村の指定が取り消されることとなった。

 この「ふるさと納税寄付金」は、自分の故郷だけでなくて全国応援したいと思う、どこの市町村へでも寄付が出来て寄付金控除の対象となるのです。 寄付をする側からすれば、実質ゼロ負担で寄付金額3割相当の「返礼品」がもらえ、このことが大きな楽しみなとなり、大変な人気を呼んでおります。 これは税額控除なので、所得税及び住民税の税額がある人が、そのメリットを受けることが出来ます。 そして確定申告が必要です。 寄付金の限度額は総所得金額の40%が上限です。 個人住民税からの控除額は所得割税額の20%が上限です。

 寄付金の締め切りは毎年12月末ですが、寄付を受ける市町村側からは新聞広告やネット上などで、うちはこんな返礼品を用意していますなどとPRに盛んな市町村もあります。 この制度は、地方の活性化に大きく貢献している制度ではないでしょう。

 総務省の発表では2021年度、この寄付金が全国で8,300億円となり過去最高額を更新しました。

最も多くの寄付金を集めた自治体は、

①ホタテ貝など海産物を返礼品とした 北海道 紋別市 153億円、
②宮崎県都城市 146億円、 ③北海道根室市 146億円。  

住民税が減収となった自治体は、

①東京都1,428億円、②横浜市230億円、③名古屋市143億円、④大阪市123億円

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