平成26年4月1日 消費税・5%→8%引上げ

 こんにちは!
 所長の池田茂雄です。

 平成26年4月1日から、消費税率が「5%」から「8%」に引上げられます。今回の消費税の引上げは、平成24年8月に成立した改正消費税法に基づくものでありますが、「経済状況の好転」が引上げ実施の条件となっておりました。政府は10月1日に、「景気は緩やかに回復しつつあり、先行き回復の動きが確かなものとなることが期待される」として予定通り引上げることとなったものであります。
さて、今回は消費税を税務署に納付する立場にある「事業者」が心得ておくべきことや注意すべき留意点などについて述べてみます。

(1) 消費税は消費者が負担
 この消費税は、事業者が負担する税金ではありません。税金分は事業者が販売する商品の価格に含まれており、商品の流通により次々と転嫁され、最終的に商品の提供を受けた消費者が負担することとなる税金です。従って、事業者は売上代金に含まれている消費税分の中から税務署に納付することとなります。商品の価格に転嫁できない場合には、事業者が負担することとなってしまいますので、確実に転嫁するようにしましょう。

(2) 価格表示の方法
 店頭で販売する商品には、「税込価格表示」とすることが平成16年に法律で事業者に義務付けられました。消費者が一目で分かるようにするためです。
 今回の税率アップを前にして、消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われるよう今年5月に「消費税転嫁対策特別措置法」が制定されました。これは、小売事業者等に義務付けられている総額表示価格について、税抜価額での表示が認められる特例措置でありますが、この特例は、表示している価格が「税込価格」であると消費者に誤認されないような表示の仕方をしている場合に限り認められます。
 この措置は、一般消費者に混乱が生じないようにすることと、転嫁が円滑に行われるようにするための特例であり、事業者はできるだけ速やかに「税込価格表示」とするよう努めなければならないこととなっております。又、この特例措置は、平成29年3月31日までとなっていることに注意しましょう。

特例が認められる「価格表示」の例示
 1,080円(税込)
 1,000円(税抜き)
 1,000円(税込価格1,080円)
 1,080円(うち消費税80円)

(3) 消費税の転嫁拒否等の行為の禁止
 前項の「消費税転嫁対策特別措置法」では、転嫁を阻害する行為の是正措置についても規定されております。対象となる事業者とは、「大規模小売事業者等特定事業者」と、大規模小売事業者に継続して商品等を供給している「特定供給事業者」であります。これは、消費税の転嫁を拒否したり、価格を低く定めることにより実質的に消費税の転嫁を拒否することなどを防ぐためのものであります。

(4) 売上請求書の税率変更時の対応
 例えば、請求書の締め日が毎月20日となっている場合、平成26年4月1日をまたぐ請求書では、「3月21日~3月31日締請求書」と「4月1日~4月20日締請求書」の2通を作成する方法が考えられます。仕入等についても、同じ方法で作成を依頼することも考えられます。

(5) レジスター使用の場合の税率対応
 平成26年3月31日までと翌日の4月1日からでは税率が変わるため、事前にシステムの設定対応が必要となります。

(6) 事業者が納付する消費税額
 (売上代金に含まれている預り消費税)-(仕入代金などに含まれている支払消費税)
=納付税額(簡易課税適用事業者 別途の計算・ここでは省略)

(7) 平成27年10月1日からの税率アップ
 平成27年10月1日からは、「8%」から「10%」に税率がアップされます。
 この際にも、今回と同じように注意が必要となりますので、ご留意いただきますよう
お願いいたします。

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